乃木坂46 清宮レイ 評判記
「フレネミー・アイドル」
清宮レイ、平成15年生、乃木坂46の第四期生。
デビュー以来、強烈なスピリットをもって独自の立場を守ってきた。その立場を一言で云えば、フレネミー、となるだろうか。他者にたいして常に友であり敵であるという、清宮のその明快なスタイルは、乃木坂の人間模様をあたらしい角度から映し出すことに成功している。とりわけ、思ったこと、ひらめいたことをストレートに口に出す、苦笑いしつつ言葉にかえて表にこぼしてしまうところなどが、ユーモアを確立している。時にそのフレネミーがファンの心を激しく揺さぶる強力な刺激となり、彼女の言葉の数々が「失言」に捉えられ反感を買ってしまったこともまた、ユーモラスの影響だろう。たったひとつの失言でキャリアを棒に振ってしまったと、ファンに囁かれたりもした。
けれど清宮レイの失敗は生来のフレネミーに原因があるのではなく、人心理解の乏しさにあると見做すべきだろう。アイドルが笑顔でありさえすれば、それを眺めるファンもまた笑顔になれるのだと考えるのは、かなり狭い価値観に思われる。笑顔に固執し「笑顔」にとらわれてしまったアイドルの特徴は、笑顔一辺倒になるばかりか、一点張りの笑顔しか描けない淡泊さ、感情の単純化にある。大衆の心を引きつけるには、やはり、複雑で深いなにか、触れるたびに色を変えるような何かをもったアイドルであることを、示さなければならないはずだ。
かつては選抜常連メンバーとして、脚光を浴びたが、アンダーに落ちて以降、一度として立ち上がることができなかった。むしろこの清宮の挫折は、乃木坂46の序列闘争の厳しさを教えると言うよりは、作り手の眼力の弱さ、アイドル観の乏しさを裏付ける結果になった、と云うべきかもしれない。
総合評価 58点
問題なくアイドルと呼べる人物
（評価内訳）
ビジュアル 8点 ライブ表現 12点
演劇表現 13点 バラエティ 11点
情動感染 14点
乃木坂46 活動期間 2018年～2024年
