STU48 中廣弥生 評判記
「思い出せる恋をしよう」
中廣弥生、平成14年生、STU48の第二期生。
中学生時代に「アイドル」を好きになり、実際にアイドルの世界に踏み込んだ友人の横顔を眺め、自身も職業としてのアイドルに意識的になったという。だれかに活力をあたえたい、という決意を、言葉の行動力をもって実行する少女である。公開オーディションでは、独特なリズムとテンションをもった話柄によって、眺めるものを片端から笑顔にした。その会話のリズムとテンションの独特さは、歌や踊りの表情、ビジュアルにもよくあらわれている。総じて、「個性」を語るのに苦労しないアイドルだと云えるだろう。
致命的なのは、デビューから2年経つも、その「個性」、デビュー当時に示した個性以外、語る点が一つもないという点だろう。たしかに、話はおもしろいかもしれない。アイドルを演じる少女の生身の部分をかいま見ることが、できるかもしれない。けれど、それだけのように感じる。たとえば、トゥルーマン・ショーの観客のように、画面から主人公が消えてしまえば、その瞬間に作品への関心が完全に消えてしまうような、そんな虚しさを感じる。『思い出せる恋をしよう』と歌うが、ノスタルジーを喚起させるような場面を一つとして残していない。言うまでもなく、これは、中廣のみならず、同期の、いや、多くの若手アイドルが抱える問題である。
総合評価 45点
辛うじてアイドルになっている人物
(評価内訳)
ビジュアル 8点 ライブ表現 8点
演劇表現 7点 バラエティ 12点
情動感染 10点
STU48 活動期間 2019年~