『ジャーマンアイリス』を聴いた感想[秋元康 VS 中島みゆき]

「文章として書くことで書ける詩と、音楽に揺られて出てくる詩」
二十世紀のおわり頃、日本語で書く詩人たちが沢山いた。
わたしたちはその時代を「三人の偉大な詩人の時代」と呼んでいる。
三人の傑出した詩人を除いて、他の詩人たちの作品はすっかり忘れられてしまった。
一人は「水遊びの観察」の谷川俊太郎だ。
もう一人は「頬を薔薇色に輝かせて」の田村隆一だ。
そしてもう一人は「船を出すのなら九月」を書いた中島みゆきだ。
高橋源一郎/さようなら、ギャングたち
横森:こじつけかわからないけど、中島みゆきの『命の別名』って『さようなら、ギャングたち』に刺激を受けていると俺は思うんだけどね(笑)。「小説」ってジャンルへの期待も含めてさ。
楠木:そういうレベルのこじつけをしていいなら、僕は最近、ふと思い至ったことがあって、そういえば小坂菜緒の写真集のタイトルって『君は誰?』と書いているんだよね。で、それを『シーラカンス』の歌詞に結びつけてしまった(笑)。それでそこから妄想を広げていくわけなんだけど…続きを読む


