STU48 谷口茉妃菜 評判記
「ワンオブゼム」
谷口茉妃菜、平成12年生、STU48の第一期生。
ジュール・ルメートルによれば、ディレッタンティスムとは、あらゆることを知りつくそうとする欲望にほかならないという。その意味では、この谷口茉妃菜ほど好事家泣かせのアイドルはほかにいないだろう。デビューからすでに6年経つが、アイドルの語り口になるような場面を一つも持たない。大島優子に憧れた人物の割には、笑顔の造作にかかわる部分で、美意識に欠けている。浮世離れしたところが一つもない、ということだ。他者の言葉・意見にアイドルを演じることのスタイルが崩されぬよう意識し行動している点は頼もしく感じるが、そもそもその「スタイル」が何なのか、いまいち、いや、まったく見えてこないのである。
卒業しているのか、現役なのか、一瞬、躊躇させる。その存在感の乏しさは、もはや個性がないということが、個性に映るほどである。言われてみれば、彼女が生まれた徳島という土地の有り様と、谷口茉妃菜というアイドルの有り様には、どこか通い合うところが多々あるように感じる。生まれた土地に「アイドル」が生かされる、という意味では、立ち上げ当時に掲げたグループの憧憬を叶えている、と言えるかもしれない。
総合評価 40点
辛うじてアイドルになっている人物
(評価内訳)
ビジュアル 4点 ライブ表現 12点
演劇表現 8点 バラエティ 9点
情動感染 7点
STU48 活動期間 2017年~