STU48 2期研究生 アイドルガイド

STU48, 特集

高雄さやか (C) STU48 OFFICIAL WEB SITE

高雄さやか、平成10年生。
まず妖美な印象を抱くが、雄々しさも覗く。なおかつ、少女の面影のようなものが残っていて、巧妙な特質を受け取る。ファンの心の在り処を探る不気味さも所持しており、そこに用意されたウソの世界はきわめて濃密なファンを吸い寄せるのではないか、と想像する。


田口玲佳 (C) STU48 OFFICIAL WEB SITE

田口玲佳、平成13年生。
シーンの有り様の変化は、アイドルに投影を強いる人間も入れ替えた。現実の日常を自死させず、ファンと現実世界における青春の相互共有を求めるアイドルがシーンに数多く出現している。「田口玲佳」もその一人であり、アイドルとファンのあり方への模索の劇として、おもしろい人材と扱える。


田中美帆 (C) STU48 OFFICIAL WEB SITE

田中美帆、平成14年生。
2期生の旗手。鷹揚さがつくる信頼感は厚みがあり、丁寧にしっかりとアイドルを書いている。アイドルの性格とは生活(ファンや作り手の妄執)によって作られていくものだが、田中美帆はすでにそのフェーズに立っており、なおかつ、その上で安定したアイドルをみせているのだから、展望を描きやすい人物に映る。


田村菜月 (C) STU48 OFFICIAL WEB SITE

田村菜月、平成14年生。
まず、ダンスが巧い。舞台装置の上をスーパーボールのように跳ね回り、生来の資質を出し切り、青春の濫費を想わせる姿形から、1期生の門脇実優菜を想起する。ファンと近い場所で笑っており、話も面白い。”構いたくなる”アイドルを描いている。


中廣弥生 (C) STU48 OFFICIAL WEB SITE

中廣弥生、平成14年生。
ファンの興味をひく話題を途切れずに展開してくれる。あたらしい自分になる、ということに全力で、ごまかしなく、ファンの前で笑う。だからファンも”彼女”と一緒にあたらしい人生を歩もうと決心できる。見れば見るほど籠絡されてしまうようなパラノイアもある。ファンが”再会”をたのしみにするアイドル。


原田清花 (C) STU48 OFFICIAL WEB SITE

原田清花、平成13年生。
穏やかで清楚に満ちている。透明で、氷で作られた彫刻を眺めるときのような儚さもある。はにかむ仕草には安易にたとえることのできない「愛しさ」の提示があり、”君じゃなきゃ”という希求がたしかにある。受け身の姿勢をみせながら細部に拘るつよい闘争心を宿しており、アイドルの美しさにも様々な種類がある、という事実に「原田清花」は邂逅を落とし込む。スポットライトを浴びた際の鮮烈さ、とくに”かげ”の作り方とは生まれ持った才能だが、この一点において、「原田清花」はすでに他のアイドルの追随を許さない閾に到達しているとつよく感じる。


南有梨菜 (C) STU48 OFFICIAL WEB SITE

南有梨菜、平成14年生。
STU48・第2期生のなかでもっとも注目するアイドル。星野みなみ的な心地よい雰囲気を持っている。仕草や立ち居振る舞いに静かな愛嬌があり、眺めていて飽きない。けなげで”ありのまま”の姿勢がつくる物語は、本物のリアリティーでありながらどこか幻想的に映る。それは、架空の世界に生きる登場人物が現実の世界に舞い降りてきたかのような飛び切りの感動をあたえてくれる。


宗雪里香 (C) STU48 OFFICIAL WEB SITE

宗雪里香、平成12年生。
淡々としている。気も利いているし、芯の強そうなところもある。恒常的に提示される抑揚を欠いた姿形はすでにSTU48の1期生、ドラフト3期生の多くが抱える屈曲と響きあっており、とくに瀧野由美子に対するルーツの誕生、その発見を予感させる。そのような意味では、徹底した自己模倣をくり返す筐体において、過去の物語を受け継ぐ、センター候補のひとりに映る。


吉崎凜子 (C) STU48 OFFICIAL WEB SITE

吉崎凜子、平成14年生。
すでに成長共有の観点で文句なしの物語を”運命的”に描いており、「アイドル」としての成功を約束された人物に映る。きわめて繊細な少女の日常風景を言葉にして、あるいは文章にして他者に伝えることに秀でており、そこに提示されるアイドルの脇の甘さ、風景の豊かさ、物語の鮮やかさは触れた瞬間にファンを没入させるフィクションの構築を達成している。凛とした、しかし透明感のあるビジュアルをそなえており、この一点のみにおいても、王道をわしづかみにする坂道グループの脅威となり得るだろう。STU48のみならず、AKBグループの未来を担う正真正銘の逸材。


吉田彩良 (C) STU48 OFFICIAL WEB SITE

吉田彩良、平成14年生。
グループのみならず、アイドルそのものに対する郷愁、その拘りと理解は同期のアイドルと一線を画しており、仲間だけでなく、ファンにとっても頼もしい存在になりつつあるようだ。ソリッドな姿形が作る物怖じしない剣呑な立ち居振る舞いから、固陋という誤解を招くシーンも多いと想像するが、それが「一途」と理解されたときに爆発的に人気を獲得するのではないか、と期待させる。


立仙百佳 (C) STU48 OFFICIAL WEB SITE

立仙百佳、平成16年生。
未成熟や不完全の典型であり、すべてがぎりぎりの線で保たれている。その姿形が与える強烈な存在感と成長への膨大な余白は、宿命的に主人公を想わせる。ただしそれは、前田敦子から西野七瀬まで、幾度となく繰り返されてきた構成であり、やや旬が過ぎたようにもおもえる。もし作り手が相も変わらず彼女のようなアイドルにフィクティブな批評空間をつくるための原動力を感じ取るのならば、「立仙百佳」をSTU48のあたらしい主人公と呼ぶ日も遠くないはずだ。


渡辺菜月 (C) STU48 OFFICIAL WEB SITE

渡辺菜月、平成12年生。
聡明な雰囲気でしっかりとしていてコクがある。アイドルを演じる行為に対し、審美眼を備えている。冷静で、苦み走った俯瞰がある。うかがい知れない部分が多く、合理的な形容しか用意できない、すこし謎めいた存在。



あとがき

ライブステージの上で踊る少女たちのなかから私がとくに注目したのは、清水紗良、立仙百佳の2名。
清水紗良はひと目で彼女だとわかる。今、ステージのどこで踊っているのか、すぐに発見できる。ずば抜けた才能を業のように背負っている、と確信する。
立仙百佳も白眉に映る。「あれ、こんな子いたっけ?」といった眩暈を彼女は投げつけてくる。ステージの上に立つと日常の普段着を脱ぎ捨てる、という西野七瀬的主人公感を身勝手に受け取った。末恐ろしい存在だ。
日常のフェーズにおいては、南有梨菜、吉崎凜子、小島愛子がおもしろい。
南有梨菜、吉崎凜子は本質的な女性のニュアンスを読むことができる。
小島愛子はアイドルが作られていく過程を弁証法的に露出しており、サナギが蝶に変わる瞬間、というよりはオタマジャクシがカエルに姿かたちを変えるような、どこか納得できない時間の提供があり、彼女も興味深い存在に映る。

2020/01/21 楠木