STU48 市岡愛弓 評判記

STU48

市岡愛弓(C)時事通信社

「片想いの入口を開いた」

市岡愛弓、平成15年生、STU48の第一期生。
グループの歴史において抜きん出た歌唱力をもつ。そのビジュアル、佇まいからは想像できない、迫力ある歌声を有している。たとえばそれは、乃木坂46の久保史緒里のような透徹した歌声にプラス、ある種のダイナミックさを付与したような、アイドル自身、歌うことに強いこだわりをもったヴォイスだと、云うべきだろうか。とりわけ、秋元康の詩情への解釈を、下手に普遍化しないところが好感を誘う。
たとえば、”桜”の最高傑作とも云うべき『片想いの入口』における市岡は、未成熟な少女であるうちにしか出せない叫び声、咆哮をもって、過去と未来に挟撃される現在を鮮明に映し出すという、今日のアイドルならではの表現を駆使して、歌詞の鮮度を損なうことなく音楽を提示している。タイトルどおり、片想いの入口を開いたことで、ファンをそのふところに手繰り寄せ、偏愛に成就させた点は、トップアイドルと呼んでしかるべき快挙である。
歌へのこだわりが、自己の理想や、自己の個性、つまりプライドを高くもつことに妥協しないというスタイルを育んだのだろうか、衝動的な少女でもあり、ファンの期待もどこ吹く風、あっさりとグループから離脱してしまった。
卒業後、指原莉乃プロデュースのアイドルグループ「≒JOY」の立ち上げメンバーとして再デビューを果たす。

 

総合評価 56点

問題なくアイドルと呼べる人物

(評価内訳)

ビジュアル 12点 ライブ表現 14点

演劇表現 8点 バラエティ 9点

情動感染 13点

STU48 活動期間 2017年~