乃木坂46 コウモリよ 評判記

のぎざか, 楽曲

(C)乃木坂46公式サイト

「コウモリよ」

楽曲、歌詞、ライブ表現について、

6枚目シングル『ガールズルール』のカップリング曲。
アイドルに(しかも白石麻衣というとびきりの美人に)メタルを歌わせるという、やや突飛な企図をもった楽曲。歌唱メンバーは、白石麻衣をはじめ、中元日芽香、能條愛未、若月佑美と、これもまた異色とも言ってよいメンバー構成になっている。しかし、ただそれだけ、である。
今作品には、楽曲、歌詞のいずれも表題作『ガールズルール』のもつテーマと通い合う、シングルをひとつの作品へと仕上げるような美意識が込められておらず、魅力に乏しい。楽曲そのものの質も平均を大きく下回る。ほとんど評価に値しない。しかし一方では、乃木坂46が既存の枠組みを抜け出ようとする挑戦としての一曲だ、とメディア、コラムニストは称賛をおくっている。こんな安易な企図を「挑戦」などと呼んでしまっていいのだろうか。変わり種、と云えば聞こえは良いが。
これまでに培ってきたアイドルの、あるいはグループのイメージを裏切るような作品を作りさえすれば既存の枠組みを押し広げることができるのか、壊すことができるのか、つまり多様性を得ることができるのか、問うならば、けしてそんなことはない。ひとつの共同体における多様性、これは、異種の集合や結合、ではなく、異種への寛容・抱擁にある、ということを理解すべきだろう。なによりも、アイドルを演じる少女がその日々の中で様々な分野に挑戦することで、ステージの上で踊るアイドルにこれまでとはまったく異なる相貌が宿る、少女の成長の物語を描こうとするならば、やはりまずアイドルの成長、この輝きに見合うクオリティの楽曲、魅力ある音楽を作らなければならないはずだ。また同時に、ファンの側も、メディア、コラムニストを名乗る連中から発せられる称賛を一笑に付すような、批評眼を育むならば、これ以上頼もしいことはない。

こうした感慨を裏付けるように、今日では、オリジナルメンバーによる歌唱披露よりも、生田絵梨花によって企画された、BABYMETALを模したユニット(生田絵梨花、伊藤理々杏、向井葉月)による『コウモリよ』の方が存在感が大きい(中元日芽香の”持ち歌”にBABYMETALを絡めたことでそれなりに話題になった)。楽曲を通して「アイドル」を物語ろうとする生田の強い意識、ある種の奔放さ大胆さを再確認できる楽曲、という意味では、価値がある、と云えるかもしれない。

 

総合評価 40点

何とか歌になっている作品

(評価内訳)

楽曲 6点 歌詞 7点

ボーカル 10点 ライブ・映像 8点

情動感染 9点

歌唱メンバー:白石麻衣、中元日芽香、能條愛未、若月佑美

作詞:秋元康 作曲:南田健吾 編曲:高梨康治

 

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