乃木坂46 明日がある理由 評判記

のぎざか, 楽曲

(C)僕は僕を好きになる ジャケット写真

「君たちには時間がある」

歌詞、楽曲について、

第40回『全国高等学校クイズ選手権』応援ソング。センターポジションで踊るのは岩本蓮加。
作詞家・秋元康とは、自己の可能性を追求する、夢を追いかける、という立場を職業にしてしまった少女たちを間近で眺め続けてきた人間であるから、当然と云えば当然だが、夢への活力を原稿用紙に記すとき、その本領が発揮される。この、夢への活力という観点においては、作詞家・秋元康の右に出る者はいないだろう。
今作では、夢を追いかける若者の視点に立ち、自身の個人的体験とすり合わせると同時に、広大な可能性を、「膨大な残り時間」を持つ若者への羨望を隠すことなく記しており、その大胆さが、詩的表現をかなぐり捨てた散文あるいは言文一致への傾倒とうまく響き合っており、やはり不敵にみえる。
夢に対する屈託を宿命的に抱えてしまう若者に向け、いつか夢は叶う、と告げ、活力を与えるのは、実はむずかしい。表現が、言葉が率直であればあるほど、思春期真っ只中の若者にしてみれば、どうしたって、嘘くさい、きれいごとに映るからだ。しかし大人になってしまった人間が、若者のその「膨大な残り時間」を前にして、自分からは容赦なく欠落して行ったあらゆる可能性を前にして、それを羨望した結果、愚痴をこぼすように、「君たちには時間がある」「そのうち夢は叶うよ」、と云うならば、そこにはきっと説得力が生まれるはずだ。『明日がある理由』には、このようなちからが備わっている。あえてケチをつけるならば、詩情に込められた作詞家の成功体験による啓蒙の、その表現手段が、やや手法的に過ぎ、また、一つの小道具への拘りが強すぎる。その所為か、夢への活力を口ずさむにしてはロマンチックに聴こえてこない。

ライブ表現について、

アイドルのそれぞれが、それぞれに肩の力を抜いた、柔らかな笑顔を作っている。ここまで自由で、朗らかで、活力に溢れ、またその活力を他者に与えようとする笑顔は、なかなか見られない。希有におもう。とくに齋藤飛鳥、久保史緒里、筒井あやめの表情には瑞々しさに溢れたケレン味があり、引かれる。あきらかに演技であるとわかる部分と、とても演技とはおもえない部分のすべてが、つまり笑顔、ステージ上の振る舞い・仕草のすべてがウソによって編まれたものであるとすれば、やはりこのひとたちは、演技のひと、なのだろう。

 

総合評価 70点

現在のアイドル楽曲として優れた作品

(評価内訳)

楽曲 15点 歌詞 14点

ボーカル 13点 ライブ・映像 14点

情動感染 14点

歌唱メンバー:秋元真夏、生田絵梨花、岩本蓮加、梅澤美波、遠藤さくら、大園桃子、賀喜遥香、北野日奈子、久保史緒里、齋藤飛鳥、新内眞衣、高山一実、筒井あやめ、星野みなみ、堀未央奈、松村沙友理、山下美月、与田祐希

作詞:秋元康 作曲:YU-JIN 編曲:YU-JIN

引用:「」秋元康/明日がある理由

 

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