AKB48 米沢瑠美 評判記
「少女のリアル」
米沢瑠美、平成3年生、AKB48の第三期生。
恋愛スキャンダルを契機にアイドル活動の辞退を決めたことで、AKBの一員として培ってきたもの、アイドルとしての成長、実力、物語を正当に評価されることは絶えて久しいようだが、基本的なテクニックを場面に応じて巧く使いこなしステージを作り上げるその腕前はたしかなものである。とりわけ、歌やダンスを、自己の魅力、たとえばエロチシズムを伝えるためのデモンストレーションとして活用する大胆さは、現在のシーンにおいても並ぶ者がいない。そのエロチシズムをして、ファンサービスに富んだアイドルだと、ファンの顔を火のようにほてらせた。
その代償ということになるのだろうか、恋愛禁止という暗黙の了解を破ったことで、アイドルに向けられる評価、評判、批評のすべてが恋愛スキャンダル一色に染まってしまった。信頼関係を築くものが「恋愛」の一点でしかないという、今日のアイドルシーンの幼稚さを米沢はその身をもって体現しているのだが、さらには、アイドルとしての失敗を人生の失敗として捉え、自暴自棄に陥っていく少女のリアルをも彼女は克明にさらしている。
総合評価 54点
問題なくアイドルと呼べる人物
(評価内訳)
ビジュアル 8点 ライブ表現 13点
演劇表現 9点 バラエティ 12点
情動感染 12点
AKB48 活動期間 2006年~2012年