AKB48 馬嘉伶 評判記

AKB48

馬嘉伶(C)日刊スポーツ

「台湾留学生」

馬嘉伶、平成8年生、AKB48の台湾研究生。
TPE48の発足に先立ち、台湾からAKB48へ留学。その後、AKBの正規メンバーへと昇格を果たす。その点で、緊張感を高く保ったアイドルである。外国語で物を考え、話し、歌をうたう、音楽を踊る、言語的アプローチによって育まれた感情は、同世代のアイドルには持ち得ない、節度と衝動の拮抗したユーモアを備えている。
緊張感の高さは、素顔を大胆に開かせてもいる。同グループに所属するメンバーとの距離感、留学生という立場にもたらされたであろうアイドルとしてのあり様に作り出される、他者との埋まらない溝を日常の些細な場面に発見してしまう困惑と、またそうした戸惑いがあることをひた隠しにせず、笑顔の内に語りだす彼女の姿は、その特別な境遇とは裏腹に、青春の共感性にすぐれたものであると感じる。
日本的なアイドル像――純潔を約束することがファンの心の救済に結ばれるという意味での活力の存在――に強い憧れをもった人でもある。日本的なアイドルに帰依するため自己を律する馬嘉伶の姿は、グループの古くからのファンを安堵させる一方、同世代の多くの若者にとっては、もはやアナクロでしかなかったようだが、AKBを学ぶために日本へとやってきた異国の少女の横顔からAKBの本質を知ることになるという点では、苦笑を禁じえない。

 

総合評価 60点

アイドルとして活力を与える人物

(評価内訳)

ビジュアル 12点 ライブ表現 12点

演劇表現 9点 バラエティ 14点

情動感染 13点

AKB48 活動期間 2015年~2024年