僕が見たかった青空 秋田莉杏 評判記

「ストリートスマート」
秋田莉杏、平成19年生、僕が見たかった青空の第一期生。
雲組の処女作のセンターに抜擢されるなど、グループの一方の主役として期待を抱かせてきた。アイドルを演じることに半生を投げだそうとする、その虚栄とも野心ともつかないポーズ、闘争心を秘めた笑顔、気質の逞しさ、底意地の強さなど、反時代的な価値において秋田はすぐれて別格の存在感をもっている。
グループアイドルは和気あいあいとしていなければならないという時代風潮に負け、デビュー当時に抱いた闘争心、夢への意気込みを早々に折られてしまう少女は多い。あるいは、野心や虚栄心を忍ばせたつもりになっている少女もまた、次第に牙を抜かれてしまうのが、今日のアイドルシーンの特徴であるが、この闘争することができないという事態がもたらすのは、デビューした段階で、生まれた段階で、もうほとんど成否が決まっているという幼稚な世界への解釈だろう。秋田に存在感があるのは、こうした事態においても闘争心を枯らさないという姿勢にあるのではなく、たとえば『君のための歌』など、音楽作品において時代錯誤への想到を可能にしているという点である。
秋田莉杏自身を眺めれば、たしかに、かつての面影を失いつつあるように感じる場面も多い。耽美によって相貌に個性がなくなる、仲間に囲まれることで笑わなくても良い場面で笑ってしまう、笑うべき場面で笑わないなど、いかにも類型的な変化に満たされているが、けれどそこには、こうしなければ生き残れないのだという切実さがある。8枚目シングルでようやく青空組への復帰が告げられた際に、しかしそれが「全員選抜」であることを察した秋田の腹立ちまぎれな表情は、デビュー当時となんら変わらない底意地、実戦的な賢さと強さの証であるように思う。
総合評価 67点
アイドルとして活力を与える人物
(評価内訳)
ビジュアル 13点 ライブ表現 14点
演劇表現 12点 バラエティ 13点
情動感染 15点
僕が見たかった青空 活動期間 2023年~


