AKB48 小野恵令奈 評判記

AKB48

小野恵令奈(C)スポニチアネックス

「デッド・キャット・バウンスに踊る」

小野恵令奈、平成5年生、AKB48の第二期生。
「ジュニアアイドル」の忘れ形見として、一部、コアなアイドルファンに歓呼された。ゆえに成長にともなう魅力の変化を取り沙汰されたが、そうした視点はきわめて表面的であり、人間性に乏しい感慨であると云える。語るべきは、小野恵令奈の資質の中核にある、少女らしからぬ行動力を可能にする豪宕さだろう。
たとえば、アイドルという存在をアニメのキャラクター=幻像に仕立て上げた小野の横顔は当時のAKBでは比べるものがなかったが、そのビジュアル・イメージの完成もまた彼女の行動力の賜物である。
特筆すべきは、
「アイドル」を架け橋にしてほんとうの夢に一歩、踏み出すことがデッド・キャット・バウンスでしかなかったという結末の点になる。夢を前にして前進し続けることが希望の錯覚でしかないというそのストーリー展開、小野恵令奈の泡沫の物語は、これまでも、これからも、多くのアイドルを縛ることだろう。
卒業後、ソロデビューし、日本レコード大賞の新人賞を獲る。

 

総合評価 70点

アイドルとして豊穣な物語を提供できる人物

(評価内訳)

ビジュアル 17点 ライブ表現 14点

演劇表現 9点 バラエティ 15点

情動感染 15点

AKB48 活動期間 2006年~2010年