STU48 矢野帆夏評判記

「夏空に記憶される」

矢野帆夏、平成11年生、STU48の第一期生。
夏空に記憶されるような、「アイドル」に熱のある人らしく、その人気・実力とは不釣り合いに、大なり小なり、ファンのあいだで話題にあがることが多かった。とりわけ、溢れ出る郷土愛を、そのまま「アイドル」へと還元することで、自分がそこに立っていたことをファンの記憶の内に残そうとする意志の強さは、桑原みずき、齋藤冬優花を彷彿させるものである。その風貌とは裏腹に、ステージにおいては繊細な一面を描き出す点も、両者に共通している。とくに、力強く、一方向に心地よく駆け抜けて行く、透き通った歌声は、同業者からの信頼に厚い。
自己を律する能力に乏しい点、ゆえに幻想的なイメージを立ち上げることができなかった点が、大きな欠点になるだろうか。たとえば、メディア・インタビューに際して、後輩である2期生の個性を仔細に語り、その魅力を伝えるも、別の場面では、ファンの眼前で後輩のアイドルの欠点を暴き出すような、感情的な言葉を吐いたりと、醜態をさらし、すくなからず、グループのファンを辟易させてきた。要するに、メディアの前でだけ綺麗事を並べ立てる、かなり陳腐な、2面性あらたかな人物だというイメージを抱かせるわけである。その点では、この人はなかなかの個性があるように見えて、その実、無個性なのかもしれない。
その実力に反し、匿名掲示板やSNS、またそこに落ちている言葉を収集するキュレーションメディアにおける注目度が異様に高いという点では、憧れだと話す指原莉乃と似ているところがあるかもしれない。

総合評価　43点

辛うじてアイドルになっている人物

（評価内訳）

ビジュアル　4点　ライブ表現　13点

演劇表現　6点　バラエティ　10点

情動感染　10点

STU48　活動期間　2017年～2022年