AKB48 上村彩子 評判記
「初の脱退者」
上村彩子、昭和61年生、AKB48の第二期生。
グループ初の脱退者として記録される。卒業、辞退、専属契約の終了など、アイドル活動の節目に際し様々な表現が用いられてきたが、「脱退」と表記されたのは、これまでのところ上村彩子と平手友梨奈のみである。
「脱退」という二文字を前にして、多くのファンが想起し記憶しているのは平手友梨奈の横顔になるはずだ。けれど、アイドルの物語をわずか3ヶ月で閉じた上村もなかなかどうして、当時、ファンの心を揺さぶっている。
上村がグループを脱退することになった直接の理由は「体調不良」によるものだが、体調不良を理由に休養を発表した彼女に向けて、ファンは、千羽鶴を折って回復を祈るという、無垢な行動力を発揮している。出会って間もない、素顔の伺い知れない少女になぜそこまで深い愛情を示せるのか、という問いのなかで、上村は今日における「アイドル」のあり方、魅力を、端的にではあるが、明らかにしていると云えるだろう。
脱退、この不可解な表記は要するに、ファンにたいしてだけではなく、アイドルにたいしても、作り手がなんらかの配慮を示したことの、知恵を絞った結果なのだろう。
卒業後、声優になる。ファンとの少ない交流のなかで、アニメ・漫画好きであることをアピールしていた少女がそのとおり、「アイドル」を経て本当の夢の世界に飛び込んだ点などもAKB48のあるべき姿を提示している。
総合評価 47点
辛うじてアイドルになっている人物
(評価内訳)
ビジュアル 8点 ライブ表現 6点
演劇表現 10点 バラエティ 10点
情動感染 13点
AKB48 活動期間 2006年~2006年