乃木坂46 水玉模様 評価

「水玉模様」
歌詞、楽曲、ミュージックビデオについて、
乃木坂46の歴史において初のソロ楽曲であり、生駒里奈の最初で最後のソロ楽曲。
デビューから5作連続で表題曲のセンターを務め、グループの歴史において冠絶した主人公としてその名を刻んだ生駒里奈のソロ楽曲が今作品以降作られなかったという結果からもわかるように、『水玉模様』は失敗に終わっている。
作詞家の世代が憧憬する、少女の上京物語に対する想像の古臭さ、あまりにも類型的なストーリー展開、どこかで見たような光景の繰り返しが伝える平板さ、退屈さがミュージックビデオにもそのまま波及しており、肝心の瑞々しさをどこにも拾えないまま音が鳴り止む。
もうひとりの自分と決別する。しかもそのもうひとりとは本来の自分でもある。この決別を演じた経験が、生駒里奈というアイドルの核となり、生駒里奈のアイドルの作り方にある種の徹底を落とし込んだ点には、尽きない興趣がある。あたえられた境遇のなかで少女がどのように生きたのか、という視点、問いかけこそ、グループアイドルの物語に向けるもっとも真剣な姿勢と云えるだろう。
総合評価 32点
人に聴かせる水準に達していない作品
(評価内訳)
楽曲 6点 歌詞 5点
ボーカル 7点 ライブ・映像 7点
情動感染 7点
歌唱メンバー:生駒里奈
作詞:秋元康 作曲:若田部誠 編曲:若田部誠