乃木坂46 新内眞衣 評判記
「楽隠居のアイドル」
賢者は生きられるだけ生きるのでなく、生きなければならないだけ生きるのだ……
生ける屍の死 / 山口雅也
新内眞衣、平成4年生、乃木坂46の第二期生。
グループアイドルでありつづけることでのみ叶う、都会での華やかな生活を謳歌するメンバーであり、その佇まいから「楽隠居のアイドル」として、グループの多くのファンに揶揄されている。
ダンスや歌、演技など、表現の分野においては、かなり無残な出来栄えで、平均を下回る。新内眞衣の、アイドルとしての成功要因を挙げるとすれば、なんら特別な才能をもたない普通の女性がメジャー・アイドルグループの一員になるという、奇抜な状況に向ける面白さ、となるだろうか。とりわけ、自己の内に芽生えた嫉妬、軽蔑、怨みといった女性特有の復讐心を忘れることなく生きるその生臭さが、大衆の関心を買ったようである。
普通の人なのだから、当然と言えば当然だが、たとえば、その長いキャリアにあってもファンにセンターへの憧憬をいだかせるような、成長の希望を一つとして描き出していない。たしかに、グループアイドルとしてのキャリアは安定したものである。けれど、常に「選抜」の最後列に立ち、フロントに抜擢されるわけでもなければ、アンダーに落ちることもないその姿は、伴食のメンバーだとする印象を一歩も抜け出ない。アイドルを名乗るからには、様々な困難を乗り越え、試練に打ち勝つ姿を見せなくてはならないはずだが……、やはり、普通の人である新内眞衣にとっては、そうした「条件」は自己とは無縁のものであるのだろうか。「成長」と無縁をつらぬき、しかしアイドルでありつづけようとするその姿は、さしずめ「生ける屍」とでも形容すべきだろうか。
総合評価 50点
問題なくアイドルと呼べる人物
（評価内訳）
ビジュアル 10点 ライブ表現 7点
演劇表現 8点 バラエティ 12点
情動感染 13点
乃木坂46 活動期間 2013年～
