乃木坂46 中村麗乃 評判記
「パンフレテールされた美」
中村麗乃、平成13年生、乃木坂46の第三期生。
ビジュアル、ライブパフォーマンス、演劇表現力、そのすべてが最高水準にある、憧憬を枯らさないメンバー。
色とりどりの、綺羅びやかな衣装を身にまといカメラを見つめるその姿、その構図はまるで未開封のままに飾られたフィギュアのようで、閉塞感のなかで活かされる清潔さ、キュートに溢れる。パンフレテールされた美という意味ではやはりこの少女もまた乃木坂らしいアイドルの一人であり、不朽の魅力をそなえている。
自身の感情を情景化する、射程の長い踊りを編むアイドルであり、ライブステージに上がり、スポットライトを浴びてしまえば、戯けた日常の笑顔から遠く離れた寂寞さ、疎外感、メランコリーを立ち上がらせる。ステージ上でおどろにふり乱すそのアイドルの表情には凡庸をはるかに凌ぐ輝きがある。そうした表現力は当然、映像演技、舞台演技に活かされ、並ではない存在感を発揮する。演劇を「アイドル」の主体にする乃木坂にあって、たしかな実力、豊かな才能、大きな可能性を秘めた、希望の到達を約束された逸材である。
あえてケチをつけるならば、それら魅力のすべてが、言葉で容易に説明できてしまうという点になるだろうか。アイドルにたいしてファンが親近感を抱いたり、共感する際には、往々にして、言葉では説明のきかないものを、アイドルの内に、発見したときである。この点において中村はかなり物足りなく感じる。
総合評価 72点
アイドルとして豊穣な物語を提供できる人物
(評価内訳)
ビジュアル 17点 ライブ表現 16点
演劇表現 16点 バラエティ 14点
情動感染 9点
乃木坂46 活動期間 2016年~
2020/08/10 演劇表現 14→15
2023/01/10 演劇表現 15→16 バラエティ 13→14 情動感染 10→9