欅坂46 石森虹花 評判記
「正義感に従う」
石森虹花、平成9年生、欅坂46の第一期生。
ヒットしたアイドルグループのオープニングメンバーであり、かつアイドルとして過ごした時間は5年間とけして短くないが、特筆に値する場面を物語の内に一つも持たない。アイドルとしての実力もどうだろうか。あまりパッとしない。ダンスに向けたファンチャントが盛んなようだが、テクニカルな評価を抜け出ず、踊ることを演劇そのものに塗り替えてしまった欅坂46にあっては存在感に欠ける。シーン全体を見渡せばティア2に置ける技術を有しているのだろうけれど、如何せんリアリティの切れ味に乏しい。
あえて「特筆」を探るならば、グループに郷愁を見出し、強い正義感のもとグループへの愛を語り、そのとおりに行動することで、やがて逃げ道を失い、アイドルを破綻させてしまった、という点だろうか。
デビュー以来、ファンに向けた日記のなかで、またインタビューなどで、正義感にあふれた言葉を示してきた石森だが、恋愛という情動には逆らうことができず、自己の正義感を裏切る結果になってしまった、アイドルの物語を打ち切るしかないというところまで、追い詰められてしまったようである。どれだけ高い志を持っていたとしても、結局それに従うことができない平凡さもさることながら、追い詰められた際に、のうのうとアイドルを延命するのではなく、潔く退いたこともまた、正義感に強い彼女ゆえの行動力なのだろう。
総合評価 53点
問題なくアイドルと呼べる人物
(評価内訳)
ビジュアル 8点 ライブ表現 13点
演劇表現 12点 バラエティ 12点
情動感染 8点
欅坂46 活動期間 2015年~2020年