AKB48 小嶋陽菜評判記

「悠揚せまらざる美女」

小嶋陽菜、昭和63年生、AKB48の第一期生。3代目センターであり、「神7」のメンバー。
まず間違いなくAKB48の歴史においてもっとも美しいアイドルであり、それは乃木坂46が誕生した現在のシーンにおいても揺るぎない価値を、どの時代に切り映し出しても失われることのない価値を誇っている。外面の美しさとは、内面のうつくしさを反映したものにすぎないが、この人ほど内面と外面の魅力の一致したアイドルはほかにいないだろう。芸能の世界にふらっと立ち寄って、これということもなくアイドルを演じている、荒唐無稽な少女だとみなされることも多かったようだが、その奔放さ、悠揚さ、ユーモアこそ、客気にかられた人間特有のプライドであり、小嶋陽菜というアイドルの真の魅力の在り処に違いない。
その平明で曇りない言葉の数々は、物事をついむずかしく考えてしまう大人たちの心をつかみ、たやすく虜にしてしまう。どのような場面にあってもけして他人の機嫌を損ねないその言葉の数々は、アイドルの序列闘争と言うよりもシーンの趨勢そのものにたいしてどこか無縁であるかのような、独自の立場を小嶋にもたらしてもいる。時折り、思い出したかのようにセンターに立ったが、楽曲をとおして「アイドル」を語ったり、音楽の力を借りてグループの消長を問うような憧憬をみせつけたりすることは一度としてなかった。そうした、常識的な使命感に枯れているところなども、彼女が規格外であることの”しるし”なのかもしれない。

総合評価　77点

アイドルとして豊穣な物語を提供できる人物

（評価内訳）

ビジュアル　18点　ライブ表現　14点

演劇表現　13点　バラエティ　17点

情動感染　15点

AKB48　活動期間　2005年～2017年