AKB48 大和田南那 評判記

AKB48

大和田南那(C)モデルプレス

「AKB48の黄金律」

大和田南那、平成11年生、AKB48の第十五期生。
デビュー時にかぎって云えば、AKB48の歴史において、いや、平成のアイドルシーンにおいて、最高の逸材感、可能性の光りを放っている。AKBのアイドルとは、美しいにしろ、風采が上がらないにしろ、そのビジュアルの内に一つかふたつ欠点をもつものだが、デビュー当時の大和田には欠点らしい欠点がひとつも見当たらない。可憐であり、また高貴であり、なおかつ中庸でもあるそのビジュアルは、口にしうる限りの賛辞を引き出し、グループの未来を約束するものであった。大和田南那ほどビジュアルを可能性の戸口にしてアイドルの魅力を発し得たメンバーは他にいないだろう。当時、グループの後ろを走る乃木坂46の足音が迫ってきてもファンがまだ平静でいられたのは、大和田が次世代のエースとして屹立していたからに相違ない。

けれど今日、この逸材のことを、かつて栄光の瞬間があったことを語るファンは絶えて久しい。大和田がセンターに立つことなくその物語の幕を閉じてしまった原因は、きわめて早熟タイプのアイドルであることを見抜けずに、むしろ大器晩成型のアイドルだと作り手が誤解し、悠長に構えてしまった咎もさることながら、バルナラビリティの豊富なアイドルであることがAKB48の黄金律であることを、体現してしまった点にあるだろうか。村山彩希や小嶋真子に向ける大和田の誠実な態度に見るその個性を伸ばす境遇があれば、結果は違ったかもしれない。
この逸材を大成させることができなかった点が、AKB48の終わりの始まりだと、断言する論者も多い。

 

総合評価 59点

問題なくアイドルと呼べる人物

(評価内訳)

ビジュアル 15点 ライブ表現 9点

演劇表現 10点 バラエティ 12点

情動感染 13点

AKB48 活動期間 2013年~2017年