乃木坂46 林瑠奈 評判記
「クリティカル・アイドル」
林瑠奈、平成15年生、乃木坂46の第四期生。
平手友梨奈の系譜に立つ数少ないアイドル。夢見る若者特有の衝動、成長とともにいつか必ず枯れ果ててしまう「生きる」ということに向ける深刻さの内に自己を表現するための唯一の手段があるのだと信じ、歌い、踊っているかに見えるその横顔には、投影への言いようのない希求力が宿っている。
平手と比較して特徴的なのは、主人公感の決定的な弱さ、となるだろうか。林瑠奈の特性とは、自分のことは上手く語れないけれど仲間のアイドルのことは上手に語れる、自分の夢よりも他人の夢を語るときのほうが生き生きとする、というクリティックにあるらしく、たとえばそれは演者でありながら指揮を執った『アトノマツリ』のミュージックビデオが顕著である。『アトノマツリ』においては、仲間のアイドルの魅力を映像の内に見事に象眼してみせ、あるアイドルにとって、仲間のアイドルがいついかなるときもアイドルであり得るという、神秘性の保持、乃木坂46がなぜここまでの飛翔を描きつづけることができるのか、その一端を示したが、それは裏を返せば、仲間のアイドルに対し批評的に接してしまう精神のあらわれでもある。
総合評価 68点
アイドルとして活力を与える人物
(評価内訳)
ビジュアル 14点 ライブ表現 13点
演劇表現 13点 バラエティ 14点
情動感染 14点
坂道研修生 活動期間 2018年~2020年
乃木坂46 活動期間 2020年~