STU48 門田桃奈 評判記
「毒にも薬にもならぬ」
門田桃奈、平成11年生、STU48の第一期生。
プロフィール写真を眺めると、漠然とだが、期待感を抱く。実際にステージを眺めると、落胆させられる。しおらしく、控えめで、内省的な佇まいがステージの上では仇となってしまうのか、スポットライトの下に踊るそのアイドルのイメージは、覇気の欠いた、毒にも薬にもならないものに一貫する。
公開オーディション当時、5番手の人気だった。そのとおり、グループ初のオリジナル楽曲であり、山と海に囲まれた土地の魅力を少女特有の初々しさのなかで歌った『瀬戸内の声』において見事に歌唱メンバーに選ばれたが、続くメジャーデビュー・シングル『暗闇』では「選抜」から漏れている。作り手の期待に応えられなかったということだろう。船上劇場の公演の幕が開いた2019年は、ドラフト3期生の溝口亜以子を皮切りに10名のメンバーが矢継ぎ早にファンへ「卒業」の報告をしている。その10名の内の8人が『瀬戸内の声』で「選抜」に抜擢されたメンバーであるという点は、なんとも皮肉的な展開である。グループ立ち上げ時に先鋒をなした少女たちがメジャーデビュー後2年足らずでアイドルの物語に幕を閉じたのだ。門田桃奈も、ここに含まれる。アイドルの踊りの部分にグループのアイデンティティを傾けはじめた作り手の理想に届かなかったことが、決定的だろうか。
卒業後、愛媛発ガールズバンド「きみとバンド」の専属マネージャーとして働く。
総合評価 43点
辛うじてアイドルになっている人物
(評価内訳)
ビジュアル 10点 ライブ表現 8点
演劇表現 9点 バラエティ 9点
情動感染 7点
STU48 活動期間 2017年~2019年