乃木坂46 Route 246 評判記

のぎざか, 楽曲

(C)Route 246ミュージックビデオ

「いつかの場所から」

というわけで、アウレリャノ・ブエンディア大佐が誘って、外国からの侵入者に支持された腐敗とスキャンダルの政権を根こそぎにする反乱を起こしたい、と言ったとき、ヘリネルド・マルケス大佐は身内の震えるような哀れみを感じ、思わず吐息をついて言った。
「ああ、アウレリャノ!年を取ったと聞いていたが、見かけよりよほどぼけてるんだな、あんたは!」

ガルシア・マルケス/百年の孤独

歌詞、楽曲について、

作曲に小室哲哉を迎え、エンターテイメントの可能性を探ろうとする意欲作。センターポジションで踊るのは齋藤飛鳥。
コロナ禍におけるエンターテイメント界の苦境をまえに、かつてシーンに革命を起こした寵児がふたたび立ち上がることが可能なのか、興味深いテーマを持たされている。
おそらく、この楽曲は序章なのだろう。「Route 246」に込められた詩情は、作詞家・秋元康から小室哲哉にあてた活力であるのは間違いない。「I’m proud」や「 FACES PLACES」といったかつてシーンの主流をきわめた楽曲の世界観を共有しており、並々ならぬ決意を感じる。乃木坂46という筐体をまえに、現在の、挫折と困窮を背負った小室哲哉がどのような曲を書くのか、といった、枯渇と対峙しながらも自己の超克を試みる姿勢の誇示ではなく、過去の栄光を寄す処とするような徹底した自己模倣の提示にこだわったのは、あくまでもこの楽曲は序章に過ぎない、ということを云いたいからだろう。
「Route 246」は、”やがて忘れる過去”にさいごにもう一度だけ戻り、そこをあたらしいスタート地点にする、退役した軍人がかつての仲間のもとを訪れ、もう一度戦地に赴こうとするような「再起」を描いている。乃木坂”らしさ”、つまり自分”らしさ”というアイデンティティの追究にもだえるアイドルと、おなじく”小室らしさ”をオブセッションとして抱え込んだ作曲家の屈託が響きあった、時代錯誤で滑稽に映るが、しかしどこか反時代的で、懸命であり、前に向き直り未来だけをみた、活力に満ちあふれた音楽を作っている。

 

総合評価 68点

再聴に値する作品

(評価内訳)

楽曲 15点 歌詞 15点

ボーカル 12点 ライブ・映像 13点

情動感染 13点

2020/09/10 再評価、加筆しました

歌唱メンバー:齋藤飛鳥、生田絵梨花、遠藤さくら、松村沙友理、大園桃子、筒井あやめ、星野みなみ、岩本蓮加、高山一実、梅澤美波、堀未央奈、山下美月、久保史緒里、賀喜遥香、新内眞衣、北野日奈子、秋元真夏、与田祐希

作詞:秋元康 作曲:小室哲哉 編曲:小室哲哉、Music Design

 

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