NGT48 日下部愛菜 評判記
「鉄壁・アイドル」
日下部愛菜、平成14年生、NGT48の第一期生。
バイトAKB参加者の一人。アイドルとしてのキャリアは、豊富なものである。18歳にしてすでに6年を超える。12歳からステージに立っていただけあって、安定した実力を有している。仲間のアイドルやファンの言動を深読みし朗々と語るその手際の良い人間観察も特徴的である。
しかし他者を語る際のその手際の良さが災いするのだろうか、いまいちアイドル本人に魅力を感じない。と云うよりも、魅力を探り当てようと躍起にさせる何か、に欠ける。能面の裏に忍ばせている素顔を覗いて見たい、と想わせるだけの希求に痩せる。それは彼女の踊りを眺めれば一目瞭然だろう。ダンスは上手い。上手いのに、踊りのメカニズムに画期的なところが一つもない。どうしようもなく平板。
あらゆる面で、分析的にすぎる、ということだろうか。たとえばその「分析」は、どのような少女が「センター」に選ばれ、どのような少女が端役に置かれるのか、アイドル当事者でありながら理解に達しているかに見せる。ゆえにアイドルの行動力が狭まり、表情の硬直を招いてしまっている。
「山口真帆暴行被害事件」を通して、夢にまで見たアイドルの暮らしの中で、その「夢」よりも大事なもの、そんなものよりももっと深いところで自分を突き動かしているもの、を少女たちがそれぞれ見つけるというストーリーが生まれたが、日下部愛菜はそうしたトレンドとは無縁をつらぬき、あくまでも自分の憧れた「アイドル」への演技に徹底している。その鉄壁さが、存外、ファンを遠ざけるのかもしれない。
総合評価 53点
問題なくアイドルと呼べる人物
（評価内訳）
ビジュアル 10点 ライブ表現 12点
演劇表現 10点 バラエティ 11点
情動感染 10点
NGT48 活動期間 2015年～
