日向坂46(けやき坂46) 富田鈴花 評判記

日向坂46(けやき坂46)

富田鈴花(C)欅坂46公式サイト

「日向坂の基礎を作り上げた立役者だが……」

富田鈴花、平成13年生、日向坂46(けやき坂46)の第二期生
木﨑ゆりあを彷彿とさせる容貌をもってデビューしたが、その美少女風のイメージは早々に払拭され、高山一実風のアイドルへと成長した。日向坂46=バラエティ番組で活躍するアイドル集団、というイメージに一役買ったメンバー、つまり功労者なのだが、当の本人がそのイメージに足をすくわれアイドルとしての価値を損なっていくという自虐性にこのアイドルのおもしろさがある。
キュートなビジュアルを持ちながら、しかしピエロを演じなければならない、という抑圧・使命感によってアイドルから幻想的イメージが壊走していくところなどは小笠原茉由と似ていると云えるかもしれない。
要するに、持って生まれた美質への自覚を振り捨てて、アイドルとして売れるために、ほかのアイドルが進んで引き受けることのない役割=ピエロのごとき喜劇役者を担う、どのアイドルグループにもかならず一人は出現する、バラエティに広がろうと試みるアイドル、である。
富田鈴花がおもしろいのは、そうした富田の役割を、アイドル本人はもとより、同業者、ファンのいずれも特に求めていないであろうという点である。一体全体、だれが求めた道だったのか、わからないまま、カメラの前で鼻息荒くピエロを演じつづける富田の横顔は、言葉の最良の意味で、シュール、と云える。

 

総合評価 54点

問題なくアイドルと呼べる人物

(評価内訳)

ビジュアル 9点 ライブ表現 13点

演劇表現 7点 バラエティ 14点

情動感染 11点

けやき坂46 活動期間 2017年~