日向坂46(けやき坂46) 上村ひなの 評判記
「ストイック・アイドル」
上村ひなの、平成16年生、日向坂46(けやき坂46)の第三期生であり、6代目センター。
長濱ねるの面影をもつ少女と見なされ、デビュー以来「大器」として期待されてきた。ビジュアルだけでなく、グループ加入時、たった一人でその門を開くなど、境遇の面においても長濱ねると重なる部分がある。そうした境遇に養われたのだろうか、高い精神性を宿した、言わば「日向坂46＝アイドル」に徳育された、ストイックな少女である。たとえば渋谷凪咲とならび、大喜利アイドルというジャンルをシーンに確立させた人物であるが、大喜利を作り出すための言葉への強い意識、意外性、独自性などは、その漲った精神によるものであろう。
その精神性は、ある種の豪宕さを描き出すことに成功してもいる。テレビドラマやミュージックビデオなどの映像作品において稀(まれ)に見せる表情、「アイドル」に徹底する穏健な笑顔を振り捨てた、目をカッと開いた際の表情には、アイドルを演じる人間の素顔がカラフルに、鮮やかに現れ、アンビジョンをむき出しにする。精神の高さは、歌や踊りにおいても活躍している。秋元康の詩情への個人的な反応、音楽を役立て「アイドル」を補完していくその引き締まった姿、几帳面さが壺にはまった際の爆発力は、同世代のライバルたちを圧倒するものがある。
総合評価 70点
アイドルとして豊穣な物語を提供できる人物
（評価内訳）
ビジュアル 14点 ライブ表現 14点
演劇表現 14点 バラエティ 14点
情動感染 14点
けやき坂46 活動期間 2018年～
2025/05/14 本文を編集しました(初出 2022/06/25)
