日向坂46 平岡海月 評判記

日向坂46(けやき坂46)

平岡海月(C)Billboard JAPAN

「日向坂のブルーホール」

平岡海月、平成14年生、日向坂46の第四期生。
思考・記憶・時間のもっとも有機的に絡み合ったアイドルである。言葉を立脚点にして、アイドルとしての最後の一行をつねに考えているように見えるその眼差しは、音楽のあらゆる場面に応じる多様性をみせつけている。
『君と生きる』における表現、内面の複雑な、穏やかな笑顔が顕著だが、人間のだれもがあたり前に思うことを、意味を変えず、かすみがけることなく、あたり前ではない言葉・感情、平明な笑顔に表現できる点に、この人の魅力がある。過去の感情を言葉に沈めている、文章を書くという行為に、姿勢の正しさ、緊張感をもつという点が、そうした「表現」を支えているはずだが、そうした人物は往々にして行動力に弱いという欠点を抱えている。
平岡が際立つのは、思弁的に物事を捉えて自己を制御してしまうような生き方を取らざるを得ない人間が、アイドルという場に立ったことで感情的に動いているという点だ。アイドルを演じている自己を俯瞰してしまうという破綻の予感のなかで、鮮やかに、精悍に、ときに繊細に、ときに荒々しく、とびきりに狭く普遍的な人間感情の結露を描き出している。アイドルであるのにアイドルではないという状態が、雅やかなアイドルを完成している。

 

総合評価 70点

アイドルとして豊穣な物語を提供できる人物

(評価内訳)

ビジュアル 14点 ライブ表現 13点

演劇表現 14点 バラエティ 16点

情動感染 13点

日向坂46 活動期間 2022年~