僕が見たかった青空 山口結杏 評判記

「グループ初の卒業メンバー」
山口結杏、平成16年生、僕が見たかった青空の第一期生。
グループ初の卒業者。約2年間、シングルにして6枚、アイドルとして活動したが、脚光を浴びたことは一度もない。アイドル本人もまた、それを強く自覚しているようでもある。とりわけ音楽作品、ライブステージをとおして、楽曲の魅力と、それを演じる自己の魅力とを表現することの兼ね合いに躓き、ひどく苦心したようだ。
きっと、正直者なのだろう。表現だなんだと、抽象的な、言葉では説明の効かないものに取り憑かれて、あるいは、取り憑かれているように演技する、若さに逸った少女たちの中にあって、不意に我に返ってしまうことで、青春の終わり、つまりアイドルの終わりを、覚ってしまったように見える。
卒業とその理由をファンに告げる場で、これまでに見せることができなかった自分の弱さ、暗い部分を卒業までの残された時間のなかで見せていきたい、と語った姿はなんとも印象的である。卒業に際して、自己を捻じ曲げた前向きな嘘をつかなかった点が、山口結杏と、その2年間を通しグループに現れた特徴と言えるだろうか。
総合評価 58点
問題なくアイドルと呼べる人物
(評価内訳)
ビジュアル 12点 ライブ表現 10点
演劇表現 11点 バラエティ 13点
情動感染 12点
僕が見たかった青空 活動期間 2023年~2025年