AKB48 磯怜奈評判記

「作り手の理想から外れる」

磯怜奈、平成4年生、AKB48の第三期生。
14歳でデビューし、その16日後、活動を辞退する。ひまわりのような笑顔を作りたい、とカメラの前で語り、その片鱗を示すも、時を置かず表舞台から姿を消している。3期には、他にも大塚亜季、坂田涼、藤島マリアチカ、堀江聖夏の4名が磯怜奈と同じく「16日」で活動の辞退を決めている。オーディション合格者18名の内5名が同日付で「辞退」の発表をしたわけだから、それぞれが個々の理由をもっての決断と言うよりも、加入審査とはまた別に行われる内部オーディション、いわゆるセレクション審査において落第したと読むべきだろう。
一ヶ月足らずで作り手にアイドルとしての資質を見抜かれ落第の印を押されたのだとすれば、何ともお気の毒と云うほかないが、同期である渡辺麻友、柏木由紀が大成した事実を見るに、あながち早計に判断を誤ったと言い切ることもできない。言わずもがな、1期と2期には磯怜奈のようなメンバーは一人も存在しない。3期オーディション＝追加メンバーオーディションと銘打たれているから、当然と云えば当然だが、3期メンバー募集時点で、すでに作り手の内にグループの展望が広がっており、今のAKBに求めるのはこれこれこういうアイドルだとする基準線が引かれていたことがわかる。その基準をもとに再考を重ね、選び出されたのが渡辺麻友、柏木由紀なのだから、3期は、巷で言われる、チャンスに恵まれなかった「期」ではないし、不作でも、不遇でもない。磯怜奈の泡沫を問うならば、ただ単純に、作り手の理念に合致する少女ではなかった、この一点にすぎない。けれど当時の作り手の理想が、隆盛を極める現在のアイドルシーンの基盤になっていることは、もはや疑いようもない事実だ。

総合評価　34点

アイドルの水準に達していない人物

（評価内訳）

ビジュアル　10点　ライブ表現　6点

演劇表現　6点　バラエティ　6点

情動感染　6点

AKB48　活動期間　2006年～2006年