SKE48 放課後レース 評価

SKE48, 楽曲

 

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後藤理沙子さん(@risako_goto)がシェアした投稿

「ところが君が君がいたんだ」

 

『貨物列車が通り過ぎていく』(*1)という描写を冒頭に置いた理由は、これからあとに書く物語が、我々の認識から遠い場所にある世界(それは架空の世界とは言えないし、非日常的とも言えない世界)での物語であることの前置きのつもりなのだろう。しかし、残念ながらそれは言開きのようにうつる。「僕」の行動の説明のなかに「僕」がそれを説明的に思弁していることへのつよい「自覚」を描写してしまっている。『女子には負けられない』(*2)という科白は「僕」の目線である。「女子」を「君」に置き換えても意味は変わらないが、「僕」目線で語るならば、「女子」というワードを選択したほうが良いだろう。しかし、この”センス”が裏目に出てしまっている、と云える。レースという語彙にメタファーを含めているのだろうが、そのレースのはじまりを衝動的に描写したのにもかかわらず、僕は自分の手足の動き、心の揺きを強い自覚をもってこちらに説明してくる。これは、レースという疾走感への期待に対して歪曲した回答として捉えられる。

この歌詞の世界を仮に、完全な虚構として捉えて眺めてみても、筆者には成立させることができなかった。終盤で登場する「私」の存在から大江健三郎の『宙返り』で使用された三人称的な視線を感じる。あるいは、江國香織の『神様のボート』のラストに主人公の精神がパラノイアの世界へと完全に移行していくような光景。しかし、そのような企みがあると考えるのは、あまりにも深読みしすぎて(筆者自身が)滑稽に映るだろう。結局のところ、歌詞の洞察とは、この問題に対するバランス感覚が”肝”になってくるのだとおもう。

楽曲については、自己模倣の典型。平均的。
映像作品についてはアイドルの鮮度を感じることができる点は、良い。

 

総合評価 42点

何とか歌になっている作品

(評価内訳)

楽曲 10点 歌詞 7点

ボーカル 10点 ライブ・映像 11点

情動感染 4点

引用:見出し、(*1)(*2) SKE48 放課後レース

 

歌唱メンバー:東 李苑、大矢真那北川綾巴、後藤理沙子、佐藤実絵子、竹内 舞、田中菜津美都築里佳、中西優香、二村春香、松井珠理奈、松本慈子、宮澤佐江、宮前杏実、矢方美紀、山内鈴蘭、渡辺美優紀

作詞: 秋元康  作曲:重永亮介  作詞:生田真心

評価点数の見方