SKE48 江籠裕奈 評価

SKE48

江籠裕奈(C)egochan_329/instagram

「硬い石を掘り進む水滴のように」


2011年はアイドル史にとって豊穣な収穫期となった。代表的な存在はやはり乃木坂46の第1期生になるだろう。彼女たちの誕生はアイドルシーンの基準点と転換点をクロスさせるようなトレンドラインを描くことになった。彼女たちは群像劇の復活という奇跡を成し遂げることになる。一方、AKB48では村山彩希というアイドル史に銘記されるべき人物も”ひっそりと”デビューしている。
そして、SKE48の第5期生である江籠裕奈もまた、2011年にデビューしたアイドルの一人である。主人公タイプのアイドルであり、グループの過去を背負いながら、あたらしい世界へグループを移動させる資質を具えた人物で”あった”。

他のグループ、それも第1期との境遇を安易に比較することはできないが、それでも同じ年にデビューしたアイドルとしては、また同等の資質をもったアイドルとしては、江籠裕奈の置かれた境遇とは、決して恵まれたものではなかった。境遇に恵まれなかった、と結論をだすのは簡単だが、境遇を転換させるのもアイドルに求められる資質のひとつである。受動に苦悩することで異物感のある妙な輝きを放つタイプと、悶えによって本来の彩りが損なわれるタイプがいるが、江籠裕奈は残念ながら後者ではないかとおもう。乃木坂46が立つ表舞台とは異なる場所で生活をした歳月は無常にも、江籠裕奈から様々な色を奪ってしまったようだ。江籠裕奈の作る「アイドル」の笑い顔にはキュートな鮮烈さがあると同時に、ダークネスな生硬さがわだかまっている。もちろん、失うものもあれば、得るものもある。2015年前後の江籠裕奈の透明感や瑞々しさを今日の彼女から感じ取ることはできないが、SKE48というグループの持つ強烈なイデオロギーやファンの心を揺さぶる芯の強さのようなものを、ステージ上でスポットライトを浴びるアイドル・江籠裕奈から受けとることができる。おそらくそれを手に入れるには、気の遠くなるような反復行動と闘争の維持が必要だったはずだ。硬い石を掘り進む水滴のような試みであったことは想像に難くない。

それでも尚、先天的な魅力と、後天的な魅力、はたしてどちらがアイドルを空想の世界へ羽ばたかせるだろうか?という疑問は尽きない。

ほんとうの、「江籠ちゃん大爆笑」が観られる日は訪れるのだろうか?

 

総合評価 68点

アイドルとして活力を与える人物

(評価内訳)

ビジュアル 17点 ライブ表現 16点

演劇表現 10点 バラエティ 11点

情動感染 13点

SKE48 活動期間 2011年~

評価更新履歴
2018/8/10 ライブ表現14→16

評価点数の見方