AKB48 谷口めぐ 評価

AKB48

谷口めぐ (C) o_megu1112/instagram

「きらきらひかる」


まるで、古代ローマのソルジャー(剣闘士)のような空気感を纏うアイドルである。アイドルとしての、姿形の美しさは問うまでもない。現代アイドルのなかでもトップクラスのビジュアルの持ち主である。谷口めぐの風貌からは、シンプルに”生活としての”闘争を感じる。ライブ表現、演劇表現、どちらも気迫に満ちており、旧世代と新世代に挟撃される恐怖や不安、苦悩の表情を苦闘として、虚構の中で再現することに成功している。
彼女の長い手指と鋭利な眼光は観者と独特な距離感を作り出す。それが唐突に露出される無邪気さによって手繰り寄せられてしまう。その光景は、壁画となって語り継がれるべきものなのかもしれない。そのような「時間」の経過に耐えうる資質が、能天気な立ち居振る舞いによって、メインストリートから逸れて遠回りしている…。しかし、彼女の無防備な”無自覚さ”=”主人公感”はどう遠回りしても、何を選択しても、物語の中心(センター)へと導かれてしまうカルマのメタファーであるのは、まず間違いないだろう。

ローマ人が柔軟に法律を変えたように、システム(組織)も時代の流れ、「趨勢」によって柔軟にカタチを変えなければならない。そうすることで困難な時代をのり越え、二度目、三度目の黄金期の到来を迎えることができる。AKB48は、たとえ衰退の一途を辿る状況であっても、「王者」にかわりはない。王者であるからには坂道シリーズという「ブレイク」を迎え撃たなければならない(そのような物語を描かなければならない)。彼女たちは、一枚の原稿用紙の上で食い扶持を奪い合うしかない宿命にある。自己犠牲(孤立感)によってのみ、この世界(文芸)は深化し、たかめられるのである。現在の”坂道”に所属するアイドルたちの性質、傾向と動向を考えたときに、AKB48に在籍するアイドルで”坂道”の主戦場に立ち、彼女たちと互角に渡り合える資質をもっているのは、谷口めぐと村山彩希の2名だろう。村山彩希がシーンそのものを転覆させるような独立独歩として屹立するのに対し、谷口は島崎遥香以降途絶えていた「個性」と小嶋真子から欠落した「主人公感」を邂逅させる。谷口めぐ、村山彩希の名を掲げることでAKB48の存在理由は保たれ、過去だけではなく、あたらしい未来での”栄光”を描くことができるのだ。谷口めぐは、AKB48という深く救いの無い闇のような筐体の底で、きらきらとひかっているのである。


総合評価 77点

アイドルとして豊穣な物語を提供できる人物

(評価内訳)

ビジュアル 18点 ライブ表現 15点

演劇表現 15点 バラエティ 15点

情動感染 14点


AKB48 活動期間 2014年~

評価更新履歴
2018/11/20 再評価、リライトしました

評価点数の見方